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執筆者の写真田中 利加

夢の中のピアニスト Vol,142


『クラシックTV ベースLOVE!丸山隆平(関ジャニ∞)』

先日、クラシックTVでベース(コントラバスなど)の特集がありました。

ゲストに池松宏さんが出演されていました。東京都交響楽団の主席コントラバス奏者で、東京藝術大学の教授であり、国立音楽大学の演奏・創作学科弦管打楽器専修客員教授で、一度は聴いてみたいと思っていた方です。


その中で、


マーラー作曲 交響曲第5番

第4楽章 アダージェット


がコントラバスの醍醐味が出ると話されていました。

この曲の初めは、コントラバスがものすごく効果的に使われているのです。

ヴァイオリンがメロディを弾くのですが、譜面どおりに弾けば次の小節の頭にコントラバスのピッチカートが入ります。そこはヴァイオリニストの気持ちで弾きますので長めになったり、ためて弾くので、合わせるのがとても難しいのです。

ヴァイオリンが次に入る音のタイミングを握っているのです。だから下手にコントラバスが「ボン」と入ってしまうと、「あぁ、ちがうんだよね。」となるわけです。

次の音がどこにいくかは、「神のみぞ知るタイミング」です。それをコントラバスは、ヴァイオリンの皆さんの総意を感じて彼らが一番気持ちが良いと感じるところへ音を出していきます。そのタイミングがバッチリで、音色や音量も良いとオーケストラ全体が幸せオーラに包まれると話されていました。

そして、その後、清塚さんと池松さんがその部分を弾きました。ピアノがヴァイオリンのところを弾いて、池松さんが「ボン」と入れます。

1回目 初めて合わせる二人。

清塚さんが、

「こういう精神世界です」

と話され、2回目。

今度はぴったりと音が合いました。

清塚さんは、

「今だけでも1回目、2回目で、私ら二人での音楽の会話がありました。私の癖とか、私がこういうふうにしたいというのを1回目でつかんでくださって、2回目はばっちり!合った。池松さんは、『僕のしたいことは、「ため」の終わりにすんなり入る』と言うのを感じてくださった。清塚はこういう風に弾きたいのね、と言うのを感じ取ってくださった。一瞬でそれを感じ取ってくださって2回目はバッチリあった。これは人間力にも繋がる。」と、話されました。


このように「合わせる」というのはとても気持ちの良いものです。

でもそのためには、まず、自分がこう弾きたいという気持ちが大切です。

そして、それを相手に伝えたり、感じたりするために、呼吸が大きな役割をもっているのです。


音楽は、楽譜に書かれてあるものだけでできてはいません。演奏する方の気持ちや呼吸が大きく関わってくるのです。

そして1つ1つの音に自分の気持ちをどのように込めるか。それをどう伝えるか。



これも音楽を楽しむ醍醐味の一つです。

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