夢の中のピアニスト Vol.1192021.6.27
- 田中 利加
- 2021年7月7日
- 読了時間: 2分
新国立劇場の芸術監督に、2019年になった、吉田 都さんが、NHKの『SWITCH』という番組に出られるというので、録画して観ました。
吉田 都さんは、英国のロイヤルバレエ団のプリンシパル(主役として踊る人のこと)を務めたバレリーナです。対談のお相手は、新進気鋭の芥川賞作家の、宇佐見りんさん。
宇佐見さんは、中学までバレエをされていて、小学生の時に吉田都さんのバレエを観て感動したそうです。その時のことを宇佐見さんはこんな風に書いています。
『都さんの踊りを見ていると「表現」と「技術」が両輪であると言うことに気づきます。』
この言葉を吉田さんは、
『教えるときに伝えたかったことを彼女が明確な文章で示してくれた。』
『額に飾っておきたい。』
と言われました。
吉田さんは、クラシックバレエといういろんな規制がある中で踊ると言うことをこう言われました。
『同じ「舞踏譜」でも、出す足の1歩が、嬉しい1歩なのか、重苦しい1歩なのかで、違うんです。』
『なぜ、その1歩?っていうことが大切。』
『そのときの踊り手の感情や、お客様の感情で見え方、捉え方が違います。』
これを聞いて、クラシック音楽も同じだと思いました。
一つの音が作る空間、思いをどう伝えていくか。
これが表現ですね。
そして、そのためには技術が必要です。
宇佐美さんは、歌舞伎を見るサークルに入られていたようです。
歌舞伎も同じ。
いろんな技術を習得した上で、それをどう使っていくのかが、大切になります。
コロナ禍、新国立劇場も大変な打撃を受けたようですが、吉田さんは、「マスク練習も本番では外せるので、その喜びが踊りに出ている」と言われてました。
また、無料のYouTube配信をしたら16万人の方が観てくれたことに、ものすごく感動し、力をもらったと言われました。
その一人が私です。
前にお話しましたが、生徒さんに教えてもらって観ました。みんな素晴らしかったです。
でも吉田 都さんは無観客の公演の難しさを感じ、いかにお客様と一緒に公演を行ってきたかを再確認したということも言われました。
日本では、アマチュアとプロの境目がしっかりできていないことも言及されました。
発表会とは違うプロとしての公演を観に来てほしいと伝えていました。

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