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夢の中のピアニスト Vol.125

  • 執筆者の写真: 田中 利加
    田中 利加
  • 2021年11月26日
  • 読了時間: 3分

夢の中のピアニスト Vol.125


『「賢い子」に育てる究極のコツ』

という本をご存知ですか?


子どもがぐんぐん賢くなる「3つの秘密道具」は、

① 図鑑 ②虫取り網(本物に触れること)③楽器

だそうです。


この中で③では、

 音を司る脳の領域と、言語を司る脳の領域は、ほぼ重なっているため、3~4歳という言語の発達の時期に楽器を演奏することで、言葉の領域にも良い刺激がいく。

 発音の違いを聞き取る「耳の力」は、外国語を習得する上では必須であり、その基礎を、幼い頃からの音楽教育によって身につけることでスムーズな習得につながる。

 楽器の中でも、ピアノは、左右の手で別の音を弾くため、練習すればするほど、左右の脳をつなぐ「脳梁」という神経線維を発達させてくれる。また、考えながら手を使うので、脳と手をつなぐ「錐体路(すいたいろ)」という神経ネットワークを発達させてくれます。錐体路とは、一言でいえば、意図的な運動(随意運動)を顔面、咽頭、手足、体幹などに起こさせるためのインパルスを伝達する、中枢神経系の主要な伝導路です。


さて次に、『だからピアノを習いなさい』という本を見てみましょう。

この本の著者、黒河好子さんは、桐朋学園大学音楽学部ピアノ専攻を卒業し、コンサート活動をされていらっしゃる方です。

目次は

1. ピアノを習う理由

2. ピアノ学習に効果的な時期

3. ピアノ学習の注意点

4. 子どもを伸ばすピアノの先生とは

5. ピアノ楽譜の選び方

6. 楽器の選び方

とあります。とても詳しく書かれています。


ピアノを習うと、小脳も大きくなり、運動機能や知的機能、感情的機能までもアップすると書かれています。

さらに、海馬(記憶や学習能力を司る部分)も発達するとも書かれています。


前にも新聞で書きましたが、NHKで放送された番組で、「脳梁はいくつになっても発達する」という内容の研究が進んでいると言われていました。


また、この本には、次のように書かれています。


「ピアノだけ聴いていると、その曲を弾けば完成したという感じになります。オーケストラを聴いてきた子は、ただ弾くだけでなく、ピアノでオーケストラのガ楽器の音を作り出そうとします。ですから、ピアノを弾く前にオーケストラの音楽を身近に感じていると、ピアノを学ぶようになってから音色や音楽を作る時に大変役立ちます。ピアノは鍵盤を押せば音が出ると思われがちですが、音程以外は誰が弾いても同じではなく、響きが異なります。最終的には弾き手によっていろいろな響きを作っていきますが、ピアノの原点となる音のイメージは、ホルンやトランペット、チェロの響きのような『オーケストラの音』なのです。」


このように、多くのピアニストの方が、ピアノの音にとらわれず、いろんな風景を想像して音を感じてほしいと思っています。


ヨーロッパでは、小学校からの音楽学校(コンセルヴァトワール等)があり、その学校では、バレエや、演劇の授業があるのです。

そして、様々な芸術に触れて、いろんなことを感じることが重要であるとされています。


お話を作るのもこのような理由からです。

発表会に向けて、お話も考えていってほしいと思います。


なお、『だからピアノを習いなさい』は教室にありますので、読まれたい方は、お申し出くださいね。

 
 
 

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