夢の中のピアニスト Vol.130 エリック・サティのこと
- 田中 利加
- 2022年6月8日
- 読了時間: 3分
2022/06/09

春から夏へと変わろうとしています。
小学校や中学校では春の運動会が行われたところも多いと思います。
日々というのは、知らないうちに過ぎるものですね。
大切に過ごさなければと思いながらも、しなくてはいけないことに流されてしまいます。
春は、お稽古を始める方も多く、ピアノを始められた方が来てくださっています。
お稽古というのは、人生において少しでも実り豊かな日々を過ごすためのものと思っています。
その人によって、お稽古の意味は違うと思います。その人その人のお稽古があって良いと思います。
この教室にはいろんな方が来られています。ですから、教材になる楽譜は一人一人違います。楽譜が同じでも使い方が違います(このことは何度もお話していますが、新しい方もいらっしゃるのでまた書いています)。
ある生徒さんのお母様が、
「私の子どもには、なんでも基礎が大切と教えています。」
と言ってくださいました。
基礎があって物事が深く見えてきます。
初めは「ド」の音ばかりでも、楽譜に慣れ、見て弾くことを覚えます。
そのためにも、是非毎日ルーティンに『ピアノを弾くこと』を入れてあげてください。
弾くことが当たり前になり、苦にならなくなります。
さて、先日ある方より、
『サティ弾きの休日』
という本を貸していただきました。
作者は、島田璃里さん(ピアニスト。1948年京都生まれ。フランス留学から帰国後の1975年より、エリック・サティの作品を中心にコンサート活動を始める。野鳥の愛好家としても知られ、自然と芸術との調和をめざすユニークなイベントを、全国各地で展開中。CDに『サティ弾きの休日』(ソニー/日本)、『サティピアノワークス』(ソニー/ドイツより全世界発売)ほか。【『サティ弾きの休日』より】)です。
島田さんはサティをこよなく愛されているのが、この本からわかります。
フランスのエスプリ(精神とか機知の意味)をふんだんに散りばめた文章は、私の気持ちをフランスのパリへと向かわせてくれました。
また、連弾曲で有名な作曲家ミヨーとの関係も深いということをこの本で知りました。
作者の思いが強すぎて、言葉の意味がわからないことがたくさんあり、辞書を片手に読んだのですが、そのおかげで昔読んでいた本の世界を思い出しました。
さて、サティとは、エリック・サティのことです。エリック・アルフレッド・レスリ・サティ(Éric Alfred Leslie Satie 1866年5月17日 - 1925年7月1日)は、フランスの作曲家です。ラヴェルという作曲家に強い影響を与えています。作曲家のドビュッシーやストラヴィンスキーもサティから強く影響を受けているのですが、知らない方も多いと思います。
サティは、パリ音楽院に入ったものの、教授達から「無能」と言われ、サティは「退屈だからやめる」と言って辞めています。
その後、酒場で弾き始めます。そして、独自の音楽観を生み出しました。
そのため、20世紀のクラシック界では、コンサートで弾かれることは少なく、日本ではあまり知られていませんでした。
私も1980年代から、バレエの伴奏をしなかったら、知らなかったかもしれません。モダンバレエの音楽に使われ初め、私はたくさんのサティの曲を弾くことになりました。
面白い名前の曲がたくさんあります。
お時間がある方は是非サティの音楽を聴いてみてくださいね。
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