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夢の中のピアニスト Vol.127

  • 執筆者の写真: 田中 利加
    田中 利加
  • 2022年1月10日
  • 読了時間: 3分

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自分が演奏する曲(歌)について


音楽というのは、湧き出てくる気持ちです。

その気持ちを表現する方法の一つだと思っています。


私は、小さい頃、一つの曲が弾けるようになり、先生の言われるままに、指の練習をして、強くしたり、弱くしたり、つなげたり、切ったりと繰り返し練習するうちに、その曲がどんどんカッコよくなり、気持ち良くなっていってそのうち自分がその世界に入り込んでいくのが楽しくなりました。


そうなんです。弾けるようになってそれを練習していくうちに、本当に気持ち良くなるのです。

それを皆さんに知ってもらいたくて、どうしたらそこまで行き着けるかを考えてレッスンを行っています。


それには、練習の時間がどうしても必要になります。

でも、3人子どもを育ててみて、なかなか思うようにはいかないということを、身をもって体験しています。

では、その中で、どうしたら、気持ち良く弾けるようになるのでしょうか?


今のところ、

① 生徒さんにあった曲を選ぶ

② 練習の仕方を生徒さんに合わせて考える

③ レッスンでの練習で少しでも家での練習を楽しくできるようにする


この3つを柱に考えています。


年齢が上がって行くにつれて、自分で考えられるようになりますが、それまではご家族様と協力して行おうと思っていますので、相談しながら行っているつもりです。

でも週に1回会えるかどうかですので、なかなかうまくいきませんが、ご要望があればどんどんお話してください。


さて、練習ですが、私はピアノの生徒さんにいつも

「ゆっくり弾いてね」

と、お伝えしています。

速く弾くと、指は転んでしまっていて、自分の意志で動いていません。

一つ一つの音を自分で感じながら弾くことで、その音の良さがわかってきます。

歌も同じです。

音程を合わせて歌うというのは、その音を丁寧に感じるということです。


先日、ある生徒さんが、私が弾いてあげると、

「先生の音と自分の音が違う。先生の音は優しいのに自分のはそうではない。」


と言いました。


また、ある生徒さんは、

「どうしてそんなに強い音、大きい音が出るのですか?」


と言いました。


皆さんが、耳を使って、音を聴いてくださっているのがとても嬉しいです。


さて、本題です。

お話を作るというのは、音楽に「命」を与えるためなんです。


情景が浮かばないと、どんな音にしたいのかを自分で決められません。


その練習のために、はじめは私と一緒に考えたり好きな言葉を並べたりしています。

そのうちいろんな言葉を知り、もっと深く考えられるようになると思います。



さて、言葉や表情は、生まれてから家族やまわりの方によって教えられていきます。


ですから、音の表現もはじめはどんなものがあるのかを、

「知る」

ということから始めます。


道場などでよく使われる言葉に

「守 破 離」という言葉があります。


『守』 (しゅ)

師の教えを忠実に学び、その後の土台となる”基礎・基本”を固める。


『破』 (は)

鍛錬と経験を重ね、土台を守りつつも応用・改善をし、”自己流”を加えていく。


『離』 (り)

それまでの過程に一切とらわれず、”思うがままの境地”に達する。



私は、難しく考えずに、「模倣」から入ることも大切だと考えています。例えば、歌手のまねやピアノを弾いている人のまね。


でも、それでは1年も経つとそれ以上に、上達できないということが自分でなんとなくわかってきて、

「守」

に立ち返ります。

そこへ戻ると、あとはスムーズに動いていきます。


私は、皆さんの「まね」をはじめはゆっくり味わってもらっています。今はメディアでいろんなことを知ることができます。そして是非、生のものもたくさん観てほしいと思っています。映画も舞台も。


先日、絵本作家の『田島征三』さんが、

「命かけて描いている。」

とテレビの番組で言われていました。

自分の感じることを感じるままに描いている。


感じることの大切さを知ってほしいと思います。


 
 
 

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