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夢の中のピアニスト Vol.139  2022.12.18

  • 執筆者の写真: 田中 利加
    田中 利加
  • 2022年12月17日
  • 読了時間: 3分

「指使い」

ピアノは、10本の指でたくさんの音を奏でていきます。

楽譜は作曲家が考え出した、様々な音楽を私たちに伝えてくれます。

その一音一音は、作曲家が


「こんな音かな?」

「あんな音かな?」


と悩んで作られた音たちです。

ですから、その気持ちを考えてその音楽を奏でるのは、とても楽しいことです。


歌を歌うのも同じ。楽譜に書かれている音と言葉を感じる事で、より深くその曲を感じていきます。


ですから楽譜はとても大切なんです。

その書かれた音を何度も何度も練習して弾くことで、作曲家の気持ちが伝わってきたり、そこに気持ちを乗せていく演奏する私たちの気持ちもどんどん膨らんできたりして、深い音になっていきます。


ただ、ピアノは88鍵ありますが、手は2本、指も10本しかありません。

その手で、一度にたくさんの音を弾いたり、速いパッセージ(独立した楽想をなさず,楽曲の中で旋律音の間を経過的につなぐ急速な音の一群)で多くの音を弾かなければなりません。


そこで大切になるのが、


「指使い」


です。


ピアノを始めたばかりだと、楽譜に書いてある指の番号は面倒だと感じることでしょう。音符を見ることでいっぱいになるので、指の番号まで見ていられず、そのときに動いた指で弾く方が楽だからです。


簡単な曲の時はそれでも構いませんが、だんだんそれでは弾けなくなりますし、深い音は出ません。

そのため、初めから指番号を見ながら弾く練習をしておくと、後がとても楽になります。

音の玉(音符)と指番号を一緒に見る習慣をつけるのです。


これは習慣の問題ですから、楽譜を見るときに玉ばかり見ていないで、番号を一緒に見る練習をしていきます。新しい曲になっても1週間指番号を見る練習をすれば、すぐになれていきます。このときは片手ずつ弾く事をおすすめします。

頭が、音と指を覚えてしまえば、後はスムーズになっていきます。


初めにそれをしないで適当な指で弾いてしまうと、それを覚えてしまって、なかなか直せず、結局速く弾けなかったり、音楽にならなかったりしますので、新しい曲になった初めての時に指番号を見るようにしましょう。


ただ、指の番号は、人それぞれ大きさや動き方が違いますから、指番号通りに動かない時があります。そのときは変えて弾いてもちっとも構いません。

弾きにくいところの楽譜を写メして


「ここの指使いはどうしたらいいですか?」


と聞いてくださる生徒さんもいらっしゃいます。

なるべく練習に入る前に見たいと思っていますが、時間がなかったりしますので、遠慮なく聞いてくださいね。


「指使い」は実は「魔法」です。指使いが決まると、とてもスムーズに弾けるんです。

是非「指使い」を大切にしてみてくださいね。





 
 
 

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